CONFIGURATION GLOSSARY
V2Ray用語集:プロトコル、コア、サブスクリプション、ルーティング
設定ファイルの項目とクライアント設定を起点に、主要な用語の正確な意味、組み合わせ、確認箇所を解説します。プロトコル、コア、クライアント機能を分けて整理し、異なる階層の概念を混同しないようにまとめています。
5つの分類
設定階層ごとに整理
30の用語
主要な設定項目を網羅
実務的な定義
実際の役割を解説
PROTOCOL & SECURITY
プロトコルと暗号化
プロトコル、認証情報、セキュリティ層はそれぞれ異なる設定階層に属します。完全なノードでは、これらの項目をトランスポート方式と組み合わせて設定します。
- VMess
- Project Vエコシステムでクライアントとサーバーが通信するためのプロトコルで、ユーザー認証、時刻検証、データ転送形式を含みます。通常はTCP、WebSocket、HTTP/2などのトランスポートと組み合わせて使用します。クライアントとサーバーのユーザー識別子、トランスポート種別、セキュリティ設定は対応させる必要があります。
- VLESS
- 認証とトランスポート層の設定を分離した軽量プロトコルです。VLESS自体はコンテンツを暗号化せず、実際の運用ではTLSやREALITYなどのセキュリティ層と組み合わせます。設定を読む際は、UUID、フロー制御、トランスポート方式、セキュリティ層の項目を分けて確認します。
- Trojan
- パスワードで認証し、通常はTLS接続上で動作するプロキシプロトコルです。クライアント設定では、サーバーアドレス、ポート、パスワード、トランスポートの安全設定、ドメイン情報を確認します。TLSハンドシェイクの失敗とパスワードの誤りは、ログ上で異なる段階のエラーとして現れます。
- REALITY
- Xrayが提供するトランスポートセキュリティの実装で、VLESSと組み合わせて使われることが多い機能です。公開鍵、短いID、サーバー名、フロー制御などを設定し、クライアントとサーバーで値を一致させる必要があります。接続のセキュリティ層にあたり、VLESSプロトコルそのものと同じ概念ではありません。
- TLS
- 暗号化通信を確立し、通信相手を検証する汎用的なセキュリティプロトコルです。V2Ray設定では、証明書のドメイン、サーバー名、システム時刻、証明書チェーンがハンドシェイクの成否に影響します。証明書エラーが出たら、まずドメインと時刻を確認し、その後クライアントログのハンドシェイク情報を確認します。
- UUID
- 16進数とハイフンで構成される汎用一意識別子です。VMessとVLESSではユーザー識別にUUIDを使うことが多く、形式の誤りや両端の不一致は認証失敗につながります。サーバーアドレスではなく、パスワード、ポート、トランスポートの代わりにもなりません。
CORE & ECOSYSTEM
コアとエコシステム
GUIクライアントとコアは同じソフトウェア階層ではありません。クライアントは画面と設定を管理し、コアはプロトコル、DNS、ルーティング、接続処理を担当します。
- Project V
- ネットワークプロキシプロトコル、ルーティング機能、拡張可能なトランスポートコンポーネントを中心としたオープンソース技術エコシステムです。V2Ray、V2Fly、および関連クライアントの文書に登場する多くの概念は、この体系に由来します。特定のGUIクライアント名ではなく、プロジェクトと技術の系譜を指します。
- V2Fly
- V2Rayの技術路線を受け継ぐ、コミュニティ運営のプロジェクトおよびコア群です。プロトコル処理、インバウンドとアウトバウンド、DNS、ルーティングなどの基盤機能を提供し、GUIクライアントから呼び出して利用できます。互換性の範囲は、使用するクライアントに付属するコアの具体的なバージョンを基準に確認します。
- Xray
- V2Rayの設定体系と深く関係するオープンソースのコア群です。XrayはVLESS、REALITY、ルーティング、多様なトランスポートの組み合わせに対応しますが、利用できる項目はコアとクライアントのバージョンによって異なります。「Xrayコア」は接続設定を実行する中核プログラムを指し、サブスクリプションサービスではありません。
- v2rayN
- Windows、macOS、Linux向けのGUIクライアントです。サブスクリプション管理、サーバー一覧、システムプロキシ、ルーティングルール、コアの起動など、デスクトップ上の操作を担います。接続に問題がある場合は、画面設定、生成された設定、低レイヤーのコアエラーを切り分ける必要があります。
- v2rayNG
- Android向けのGUIクライアントで、通常はXrayコアで接続を処理します。サブスクリプション更新、ノード切り替え、ルーティングモード、アプリ単位のプロキシ、接続ログなどに対応します。モバイルネットワークと無線LANを切り替えた後は、システムルートの変化が現在の接続に影響することもあります。
- v2flyNG
- Android向けで、V2Flyコアの系統を採用するGUIクライアントです。サブスクリプションと単一ノードの設定をインポートでき、V2Flyコアとの互換性が必要な場面に適しています。v2rayNGと比較する際は、コアの系統、設定の互換範囲、クライアント機能の違いを重点的に確認します。
SUBSCRIPTION & NODE
サブスクリプションとノード
サブスクリプションは設定を配布し、ノードは選択可能な接続情報を表します。速度測定は、回線の異なる側面を確認するための手段です。
- サブスクリプションURL
- サーバー側から提供され、ノード設定をまとめて取得するためのURLです。クライアントが更新時にURLへアクセスして内容を解析するため、URLの失効、認証パラメータの誤り、ネットワーク障害などで更新に失敗することがあります。サブスクリプションのインポート成功は、クライアントが設定を読み込めたことを示すだけで、すべてのノードが接続できることを意味しません。
- ノード
- クライアントで選択して使えるサーバー接続設定です。通常はアドレス、ポート、プロトコル、認証情報、トランスポート方式、セキュリティ層などのパラメータを含みます。ノード名は識別用であり、接続結果を左右するのは内部の項目です。
- サブスクリプショングループ
- 異なるサブスクリプションの取得元を区別し、ノードの集合を管理するためのクライアント上の分類です。更新、削除、自動選択は通常グループ単位で行われるため、操作対象のグループを先に確認します。グループを削除すると、その取得元のノード記録も同時に消える場合があるため、実行前にローカルノードとサブスクリプションノードを区別してください。
- 遅延
- データがローカルから宛先へ届き、戻ってくるまでにかかる時間で、通常はミリ秒で表示します。測定方法によって対象となるネットワーク区間が異なるため、1回の遅延値だけで実際の通信速度を判断することはできません。遅延はローカルネットワーク、回線混雑、測定対象によっても変動します。
- 実接続遅延
- プロキシノードを経由して実際のプロトコル接続または宛先へのリクエストを行った際の所要時間です。一般的なネットワーク層の測定より多くのハンドシェイクを含むため、ノードが実際に接続できるかの判断に適しています。タイムアウトした場合は、名前解決、トランスポート接続、プロトコル認証、セキュリティハンドシェイクのどの段階で失敗したかをログで確認します。
- ダウンロード速度テスト
- 一定量のデータを転送し、スループットを確認する測定方法です。結果はノードの出口、宛先サーバー、回線混雑、ローカルネットワーク、測定時間帯の影響を受けます。測定では実際の通信量が発生するうえ、1回の結果だけで長期的な安定性を判断することもできません。
ROUTING & SPLIT
ルーティングと振り分け
ルーティングルールはまず通信の特徴を識別し、その後リクエストを指定されたアウトバウンドへ渡します。ドメインルール、IPルール、アウトバウンドタグを一連の流れとして確認する必要があります。
- ルーティングルール
- ドメイン、IP、ポート、プロトコル、送信元などで通信を照合し、使用するアウトバウンドを指定するルールの集合です。ルールの順序とアウトバウンドタグが対応していないと、想定と異なる判定になることがあります。調査では、まずリクエストが実際に一致したルールを特定し、そのルールが指すアウトバウンドを確認します。
- トラフィックの振り分け
- ルーティング条件に応じて、リクエストをダイレクト接続、プロキシ、ブロックなど異なるアウトバウンドへ送る処理です。正しく振り分けられているかは、アクセス結果、クライアントログ、DNSの解決経路を組み合わせて確認します。システムプロキシのモードを変えるだけでは、コア内のルーティングルールは自動的に修正されません。
- GeoIP
- IPアドレスの地域やネットワーク範囲で整理されたルールデータです。ルーティングエンジンはドメインを解決したIPに対してGeoIPを照合できますが、データのバージョンや更新頻度が適用範囲に影響します。対象はアドレス範囲であり、ドメイン分類ルールを直接置き換えるものではありません。
- GeoSite
- 用途や地域ごとに整理されたドメイン集合のルールデータです。GeoSiteはドメイン層を照合するもので、GeoIPとは異なります。両者を組み合わせ、ドメインとアドレスの条件をカバーすることがよくあります。利用できるルール名は、クライアントが読み込んだデータファイルによって決まります。
- アウトバウンドタグ
- 設定内で特定のアウトバウンド処理を識別する名前です。ルーティングルールはタグを使ってダイレクト接続、プロキシ、ブロックなどのアウトバウンドを参照するため、タグの表記が一致しないと想定どおり転送されません。ログでも、アウトバウンドタグはリクエストの最終的な経路を確認する手掛かりになります。
- ルールの優先順位
- 複数のルーティング条件が同時に一致する可能性がある場合の判定順です。多くの設定では記載順に確認するため、より具体的な条件を広い条件より前に置くのが一般的です。順序を変更したら設定を再読み込みし、明確なテスト用ドメインで結果を確認します。
CLIENT FEATURES
クライアント機能
システムプロキシ、仮想ネットワークインターフェース、DNSの処理方式によって、通信がどのようにコアへ入るかが決まります。アプリがシステム設定を参照するかどうかが、取り込み範囲を判断する重要なポイントです。
- システムプロキシ
- OSがプロキシ設定に対応したアプリへ提供するネットワークパラメータです。システムプロキシを有効にしても、すべてのプログラムが利用するとは限りません。設定を無視するアプリには個別設定や別の取り込み方法が必要です。クライアントを終了する前にシステムプロキシを元に戻すと、停止したローカルポートが設定として残るのを防げます。
- TUNモード
- 仮想ネットワークインターフェースでシステムの通信を受け取り、クライアントのコアに処理させる動作モードです。システムプロキシを読まないアプリもカバーできますが、権限、ルーティングテーブル、DNSを正しく設定する必要があります。有効化後にローカルネットワークへ問題が出た場合は、仮想インターフェース、ルートの競合、他のネットワークツールによる占有を確認します。
- FakeDNS
- アプリに予約アドレスを返し、後続の接続段階で元のドメインとの対応を復元するDNS処理方式です。ルーティング用にドメイン情報を保持できますが、アドレスプール、キャッシュ、フォールバック設定を連携させる必要があります。モードを無効化または切り替えた後は、古いキャッシュがテスト結果に一時的な影響を与えることがあります。
- DNSリーク
- ドメインの問い合わせが想定した解決経路を通らず、別のDNSリゾルバーへ送られる現象です。調査では、システムDNS、クライアントDNS、ルーティングルール、ブラウザー独自の名前解決設定を確認します。テスト結果は現在の取り込みモードと合わせて判断し、設定から切り離して結論を出さないようにします。
- インバウンドポート
- クライアントがローカルで待ち受け、アプリからのプロキシリクエストを受け取るポートです。SOCKSとHTTPのインバウンドで別ポートを使う場合があり、入力ミスやポートの競合は接続失敗の原因になります。アプリを手動設定する際は、接続先アドレスが通常ローカルを指し、遠隔ノードのアドレスではないことも確認します。
- クライアントログ
- コアの起動、設定の読み込み、DNS問い合わせ、ルーティング判定、接続エラーなどを記録するテキスト出力です。障害調査ではエラー発生時刻の前後を確認し、クライアント画面のログとコアのログを区別します。ログを共有する前に、サブスクリプションURL、認証情報、完全なノード設定が含まれていないか確認してください。